(オープンイノベーション最新情報-20)
自動車メーカー6社が共同で行ったオープンイノベーションコンテストの結果発表

EUの主要自動車メーカーが軽量化技術を求めたオープンイノベーションコンテストの受賞者を発表しています。

Europe's Leading Car Manufacturers Announce Winners of Open Innovation Challenge to Reduce Emissions
http://www.altairenlighten.com/news/europes-leading-car-manufacturers-announce-winners-of-open-innovation-challenge-to-reduce-emissions/

ポイントは以下の通りです:
  • 自動車メーカーのDaimler・Volvo・Opel・Toyota・Volkswagen・FCAは参画している車体の軽量化を目指すコンソーシアムであるALLIANCEと共に、Lightweight Open Innovation Challenge(LOIC)の受賞者を発表した
  • 本コンテストの応募者に与えられる機会は以下の通り:
    • コンテスト期間中を通して技術的なサポートが受けられる
    • 車両のバーチャルモデルを用いて技術のフィージビリティーを評価できる
    • 技術を潜在的な顧客に売り込める
  • 受賞者に与えられる機会は以下の通り:
    • 6社と軽量化技術の共同開発に取り組める
    • Aachen Body Engineering Days 2018において、技術を既存の車両に組み込んだ状態で発表できる
  • 本コンテストは3つのフェイズに分かれている:
    1. Submission
      • 2017/10~2018/2
      • 基礎的なデータの提出が求められる
    2. Demonstration/Validation
      • 2018/3~2018/7
      • 詳細なデータの提出が求められる
    3. Presentation at Final Event
      • 2018/8~2018/9
      • イベントでの発表後に自動車メーカーから個別にフォローアップされる
  • 結果として9ヵ国から22件の応募があり、以下の4組が受賞した
    • F.Tech(日本/ドイツ)
      構造用鋼を複合プレスする技術
    • Imperial College London(イギリス)
      板金を高速で熱間プレスする技術
    • Outokumpu(ドイツ)
      ステンレス鋼材料と製造技術
    • Vestaro(Germany)
      エポキシベースの樹脂
  • 提案は2030年までに想定コストの範囲内で輸送に伴うCO2排出の40%以上を削減し、車体重量の25%を削減できるか否かの観点から選定された
  • 本コンテストはオープンイノベーション仲介業者のInnogetが保有しているプラットフォーム上で紹介された 

オープンイノベーション活動で協業する企業間の関係性

以前の記事で複数の企業が協業する形のオープンイノベーションコンテストについて紹介しました(アステラス製薬・田辺三菱製薬・第一三共が共同公募を開始)。今回は設立済みのコンソーシアムを介して募集しているところが異なります。

競合他社の関係にある企業同士が交流できる場として、コンソーシアム以外に各種の業界団体や学会があります。このようなところを主体としてオープンイノベーションコンテストやアクセラレータプログラムの手法を用いれば、宣伝効果が高いため、一社単独で行うよりも効率の良い活動が行えます。

しかしながら直接的な競合となる企業間で連携した場合、外部から提案されたシーズの取り合いが生じる可能性があります。適切な枠組みを作れば乗り越えられる可能性もありますが、競争が激しい業界では難易度が高そうです。

同じ分野で異なる種類のシーズを求める企業同士が協力すると効果的かもしれません。例えば製薬メーカーと食品メーカーが連携して特定の疾患に対するシーズを募集した場合、医療用医薬品として開発可能なシーズは製薬メーカーが、健康食品に向いたものは食品メーカーが優先権を持つ仕組みが設計できます。

B2BとB2Cの企業が消費者向け製品のアイデアを共同で募集する形はどうでしょうか。例えば東レとユニクロ(ファーストリテイリング)が新しい衣料品を開発する場合です。その際に東レが保有する特殊な繊維技術の概要を、ユニクロが求める製品に関する方向性を公開すれば、製品開発に役立つ良質なアイデアを集めることができるかもしれません。

この他にも様々な組み合わせが考えられますが、連携したオープンイノベーション活動を実現するには、異なる企業の担当者同士が交流して信頼感を醸成する機会が必要です。そのため各企業のオープンイノベーション担当者には、協業パートナー候補だけでなく、同業他社や異業種の企業でオープンイノベーション活動に携わる人々と積極的に関係を構築する努力が求められます。

Tom

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