(オープンイノベーション最新情報-33)
イノベーションコンサルティングサービス提供企業に関する調査

調査会社のForrester Researchから、イノベーションコンサルティングサービスを提供している8社を比較した報告書が出ています。

The Forrester Wave™: Innovation Consulting Services Providers, Q4 2018
https://reprints.forrester.com/#/assets/2/1485/RES142515/reports

ポイントは以下の通りです:
  • 本報告書ではCIOや他のリーダーがイノベーションコンサルティングサービスを選定する際に役立つ情報を提供する
  • イノベーションコンサルティングサービスを提供している多数の企業の中から、有力な8社(Accenture・The Boston Consulting Group・Deloitte・KPMG・Capgemini・EY・PwC・McKinsey)の比較を行った
  • 現時点での市場規模は13~23億USDである
  • イノベーションコンサルティング会社は単一のイノベーションイニシアティブの支援ではなく、顧客がイノベーションを持続的に生み出せるようにすることを目指している
  • 調査を通して以下のことが判明した:
    • 最良のイノベーションコンサルティング会社は顧客に敏捷性と実験力をつけさせる
    • デジタルトランスフォーメーションとイノベーションは異なる課題である
    • 最良のイノベーションコンサルティング会社は多様な専門性を持った多機能チームで業務を行っている
    • 最新のデジタルアーキテクチャを導入することでイノベーションに必要な金銭的・人的リソースを生み出せる
    • イノベーションコンサルティングサービスの市場は未だ初期段階にある
  • 評価軸として現行のサービス・戦略・市場における存在感の3つを採用した
  • 最も高い得点となったのはEYで、Deloitte・Accentureが続いている
  • 各企業の特徴は以下の通り:
    • EY
      • ビジネス・デザイン・最新技術に関するスキルを融合させたチームで取り組んでいる
      • 新規なビジネスモデルの創出に役立つビジネスモデルシミュレーターやイノベーションマネジメントソフトウェアのCogniStreamerを提供している
      Deloitte
      • グローバルピッチイベントの開催を含む幅広いサービスを提供している
      • イノベーションポートフォリオマネジメントに用いるAmbition Matrixでは市場における競争環境が分析できる
      Accenture
      • デジタル・クラウド・セキュリティなどに関連したサービスで強みがある
      • イノベーションの分析や加速化に役立つInsights Platformを提供している
      McKinsey
      • チェンジマネジメントに強みがある
      • イノベーションの各段階で役立つモジュラー化されたツールキットを提供している
      PwC
      • デジタルトランスフォーメーションの実践・最先端技術の検証・コーポレートベンチャリングと連動したサービスを提供している
      • イノベーションマネジメントツールのIdea Labを用いてアイデア創出・共創・アイデア選定を支援している
      KPMG
      • イノベーションのデータ分析に強みがある
      • イノベーションマネジメントツールのInnovation Factoryはアイデアの創出から商業化までを広く対象としている
      BCG
      • 顧客が持続的な優位性を達成するためのイノベーション力を付けることに注力している
      • 各種のデータにアクセスして分析や視覚化を行うツールとしてCenter of Excellence for Advanced Innovation Analyticsを提供している
      Capgemini
      • 特定の分野でイノベーションを創出する際に役立つApplied Innovation Exchangeというプラットフォームを提供している
      • フランスやドイツでは多様なサービスがある一方でアジア圏の国々での活動は限定的である

オープンイノベーション活動を加速させる方法

多くの企業がオープンイノベーションを取り入れるにあたって、活動を推進する主体となるチームを作るところから始めています。オープンイノベーション活動で成果を出すためには人材の選定が鍵となりますが、必要とされるスキルや能力については既に様々な報告が出ています(オープンイノベーションと人)。

仮に適正がある人材を集めてチームを立ち上げたとしても、試行錯誤を通してオープンイノベーション戦略を作り、個々の活動を実施していくことは容易ではありません。またオープンイノベーションの知識を深めるために、他社事例やオープンイノベーション仲介業者についても学ぶ必要があります。これらを考慮すると、継続的に成果が出る体制を整えるまでには年単位での時間が掛かります。

オープンイノベーション活動を加速させるために、以下のような社外の力を借りる選択肢があります:
  • オープンイノベーション活動の経験者を採用する
  • 専門家探索サービスを活用する
  • オープンイノベーション仲介業者を活用する
  • イノベーションコンサルティングサービスを活用する
今後はオープンイノベーション活動の巧拙が企業の競争力を左右することが予想されているため、外部から経験者を採用することは有望な選択肢です。オープンイノベーション活動の推進は一種の変革マネジメントであることから、社員として内部に入り込んだ方が影響を与えられます。しかしながら国内では経験者が少ないために、そもそも採用が困難かもしれません。

第二の選択肢として、専門家探索サービスの活用が考えられます。以前の記事で様々なサービスを紹介しましたが、その中で特定の分野の知識やノウハウを持った専門家を紹介するものがありました(国内のオープンイノベーション活動支援サービス)。過去にオープンイノベーション活動に携わっていた、もしくは現時点でオープンイノベーション活動を推進している人に相談すれば、活動を推進する上で役立つ情報が得られます。

オープンイノベーション仲介業者の中にはオープンイノベーション活動に対するコンサルティングを行っているところがあります。そうではないところでも、活動の相談に乗ってもらえるかもしれません。一方で彼らには自社のサービスを売り込みたいというモチベーションがありますので、アドバイスが適切かどうかを判断する必要が出てきます。

最後に本記事で取り上げたイノベーションコンサルティングサービスの活用ですが、戦略策定・組織変革・個別活動の実施を含めた統合的な支援を受けられることが特徴です。また企業戦略などについての知見も深いことから、その他の企業活動との整合性が取れた提案にも期待できます。難点は前述の3つの選択肢と比べて高額の費用が掛かることで、依頼するかどうかを慎重に検討することが求められます。

以上で見てきたように、オープンイノベーション活動自体もオープンイノベーションを取り入れることが可能です。何をするにも社外のリソースが活用できないかを考えるようにすることが、オープンイノベーションを真に身につける近道です。

Tom

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